運送業

トラックによる配送などの運送業は業務時間が長時間となりやすいことから残業が発生しやすい職種です。従業員の在職中は職場の人間関係もあり必ずしも発生した残業代を請求していないケースもありますが、退職後にはそのような制約もなくなることから、就労先に対して残業代を請求することが見受けられます。残業代は過去2年間分を請求できることから(令和2年4月1日から過去3年間に延長されました)、請求金額が300万円から400万円になることもあります。
  
運送業者の中には固定残業代制度を取り入れている会社も多いですが、誤った固定残業代制度の導入により支払う残業代が高額となることもあります。それというのも、固定残業代制度は予め毎月支払う給与のうち、基本給に加え残業代に相当する手当を支払うものですが、法律上固定残業代制度が有効とされるためには、①基本給と割増賃金に代わる手当てが明確に区分されていること、②就業規則や労働契約に手当てが何時間分の割増賃金に該当するか明記されていること、③手当よりも残業代が超過した場合に不足額を支払うなど手当と残業代を区別した運用がなされていることなどが必要です。そのため、単に、固定残業代制度を導入したと従業員に伝えるだけでは紛争となった際に固定残業代制度と認められず、固定残業代制度が基本給の一部に入れられ、会社の想定する基本給よりも高額の基本給を前提に割増賃金を計算することになってしまいます。
  
また、残業代の未払いは会社対従業員個人の問題というよりも、会社の制度の問題の場合もあります。その場合、一人の従業員に対して残業代の未払いが発生していると、他の従業員に対しても同様の未払いが発生しており、未払いの残業代を合計すると数千万円規模に拡大する場合もあります。
  
弁護士に相談することでこのような紛争を未然に防ぐことができますので、残業代についてお悩みは当事務所までご相談ください。